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なぜ、後任を全国公募するのか
昨日25日に、『なぜ、市長を退任するのか』について投稿をいたしました。
ただの退任でも、単なる後継指名でもなく、後任の市長候補を全国公募のうえ選出し、サポートするというプロジェクトになぜ至ったのか。
上記投稿でも、退任する理由の1つとして、「50年先、100年先の四條畷市が、いま以上に活気あるまちであるために、四條畷市がこれらも継続的に発展していくために、情熱と素質があるリーダーが一定期間で生まれる『流れ』をつくること」を挙げました。
言い換えれば、
「長期間にわたり、四條畷市が発展する土壌を作りたい」
というのが私の思いになります。ここでは、その真意について述べたいと思います。
全国公募する理由
昨日25日に、政治団体「四條畷市民の力」を設立しました。今後は、この団体が主体となりプロジェクトを進めていくことになります。
この団体のもと、後任の市長候補を全国公募のうえ選出し、各種活動をサポートする主な理由は3つあります。
- 「可能性」の追求
- 「選挙の壁」の打破
- 「市民参画」の増大
以下では、それぞれ順にその意図をお伝えいたします。
「可能性」の追求
約8年、市長を経験させていただくなかで痛感したこと。
それは、行政運営の長として、市長の持つ権限の大きさです。
よりふさわしい人物が選ばれる可能性を上げるにはどうすれば良いか。
実は、市長には立候補にあたり住居要件がありません。
そもそも私も、大学生までは四條畷市に住んでおりましたが、大学院からは地元を離れており、立候補を表明する前はインドで働いていました。
すなわち、いま私が知り得る人の中に、最良の候補がいるとは限らないということです。
民間企業とタッグを組み、なるべく多くの方に可能性をひらくことで、四條畷市にとってより良いリーダーが誕生する確率が高まるのではと考えました。
「選挙の壁」の打破
市長をめざすなかで、最も高いハードルである選挙。
多くの人にとって、選挙はブラックボックス化されており、もし市長たり得る熱意と素質を持っていたとしても、挑戦することを諦めてしまう方がほとんどでしょう。
実際、政治家の2世・3世の人や、特定政党の支援を受けている人と比べ、選挙に関する知識や資金面で、無所属の新人は圧倒的に不利な状況にあります。
そこで、政治団体「四條畷市民の力」により、立候補予定者の政治活動をサポートすることで、そうした不公平に立ち向かい、熱意と素質ある人物が挑戦できる環境を創りたいと考えています。
政治家の2世・3世であるかどうかは生まれながらなので変えることはできませんが、特定政党の支援を受ければ良いでのはという方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、市長は市に一人だけであり、全市民の代表者です。
様々な政党を応援している市民がいるからこそ、市長はあらゆる政党の方々と公平な関係を築くことが望ましいというのが、私の考えです。
選挙において特定の政党から強い支援を受けた場合、その政党の意向をふまえずに市政運営を行うことが、果たしてできるでしょうか。
もちろん、政党が議会制民主主義において重要な役割を果たしていることは十分に理解しています。
そのうえで、なお私は独任制である市長は無所属が望ましいという考えです。
だからこそ、政党の支援に寄らないサポート体制を構築し、無所属の候補者がフェアに挑戦できる環境を創ることが重要となります。
市民が議論する風土づくり
言うまでもなく、主権者は市民の皆さんです。
あくまで、市長は市民の負託を受けた存在に過ぎません。
市民の皆さんがこのまちをどうしていきたいのか。
8年間、市政運営において私が最もこだわった点の1つです。
何度も何度も地域を訪れ、市民の皆さんと対話を行う。
そのなかで、現在の四條畷市の状況や課題への理解が相互に深まり、未来への打ち手が導き出されます。
そして、市長選挙は4年に1度、自分のまちのことを市民の皆さんが考える機会であるとともに、まちづくりの優先課題を変えるための転換点でもあります。
だからこそ、定期的に市長が入れ替わり、市民の皆さんが市の優先課題について意思を示すことで、これまでとはまた違った市の魅力を伸ばしていくことができると、私は考えます。
しかし、そうした議論は現在、選挙期間のわずか7日間ぐらいでしか行われることがありません。
そのため、今回「四條畷市民の力」が行う市長候補の最終選考においては、私を含む多様な市民を交えた面接を行い、合議により決定する仕組みを導入することを試みます。
これにより、選挙が始まってから「AさんかBさん、どちらが良いか」という単なる選択だけではなく、今の四條畷市の課題を見つめ、それに対応できるリーダーはどんな人物が良いだろうかという議論に繋げたいと考えています。
※なお、面接いただく市民の方には政治団体「四條畷市民の力」の会員になっていただくことで、公職選挙法における事前運動には抵触いたしません。
四條畷市民の力
以上が、「なぜ、後任の市長候補を全国公募を行い、立候補予定者を選出し、サポートするのか」の理由になります。
強調したい点は、このプロジェクトの主体である政治団体「四條畷市民の力」は、特定の政策の実現を図るために自己の拡大を目的としない点で、いわゆる政党とは異なるという点です。
あくまで、熱意と素質ある人物が市長になれる社会を実現するために活動する政治団体となります。
このような取組みは、これまで日本で行われたことが無いものであり、戸惑いを覚える方もいらっしゃるかもしれません。
あるいは、公募に際して人材紹介会社を活用することに、違和感を覚える方がいることでしょう。
それでも、今回のプロジェクトが「長期間にわたり、四條畷市が発展する土壌を作る」ことに繋がると、私は信じています。