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なぜ、市長を退任するのか
本日2024年9月25日、次期・四條畷市長候補を全国公募する発表をいたしました。
2017年1月に初当選させていただいてから、約2期8年。
温かく応援してくださった市民の皆さん。四條畷市の未来のため時に厳しくご指摘をくださった議会の皆さん。そして、いつも頼もしく支えてくれた職員の皆さんのおかげで、今日まで至ることができました。
この場をお借りして、これまで東修平にお力添えをいただきましたすべての皆さんに、心から感謝申し上げます。
本来であれば、お一人おひとりにお会いして、お礼とともに私の思いを直接お伝えしたいのですが、引き続き公務もあり叶いませんので、こちらに書かせていただきました。
長文の記事になりますが、どうかご容赦ください。
8年前、市長選に出た理由
そもそも、なぜ8年前に市長選挙への出馬を決断したのか。その理由を端的に言い表すならば、
「生まれ育った四條畷市の、危機的状況を打破したい」
という思いからです。
緑豊かで閑静な住宅都市、四條畷。
生まれてからずっと過ごしてきたこのまちが、暮らすにはとても良いところだと今も信じています。しかし、社会人として海外で働くなか、父の病をきっかけに四條畷市に戻る機会が増え、こうした声を耳にするようになりました。
「最近、四條畷市に活気が無い気がする」
そこで、何気なく市の様々な統計情報を調べてみました。いま思えば、この時の行動が私の人生を大きく変えることになります。
調べて分かったことは、子どもを中心に現役世代の人口が近隣と比べて大きく減少しているという衝撃的な事実。
そして、その原因を調査して分かったことは、過去に財政状況が大幅に悪化したことにより、長期間にわたり削減を主体とした財政運営が行われてきたということ。その結果、近隣市と比較して住民サービスが相対的に低下し、結果として何年にもわたり選ばれないまちになっているということでした。
しかし、驚いたのはそうした事実だけではありません。
財政の悪化、住民サービスの低下、人口流出という負の流れにあるにもかかわらず、まもなく行われる市長選挙が現職の無投票再選になりそうだということも、様々な人への聞き取りから判明しました。
選挙は、4年に1度、市民の皆さんがまちの将来について考える貴重な機会です。
市民が現状を知り、自分たちのまちをどうしたいのかを意思表示できる場が、無投票で無くなってはならない。
何より、家族も住み、友達も住む、生まれ育ったこの四條畷市は、もっと住み良いまちになれるはずだ。
若さと無知ゆえか、そうした湧き上がる自身の思いを抑えることができなくなり、市長選挙への挑戦を決断するに至りました。
市長就任後の主な取組み
「新しい畷へ」をスローガンに掲げ、四條畷市長選挙に挑戦。
現職と一騎打ちの戦いとなりましたが、多くの方々にご支援をいただき、何とか当選することができました。
そして2017年1月20日より、第5代四條畷市長として全身全霊で市政運営にあたる日々が始まります。
市長になってからは、負の流れを断ち切るために、様々な改革に取り組んでまいりました。そうしたなか、何よりも重視したのは市民の皆さんとの対話です。
しかし、どんなに市民の皆さんの思いに向き合いたくても、財源がなければ何も実現することはできません。
そのため、特に1期目については徹底した行財政改革を実行してまいりました。
一方、言うまでもなく、削るだけでは選ばれるまちにはなり得ません。
行財政改革を断行しながらも、同時に注力したのは、子育て支援策をはじめとする住みたい、住み続けたいと思っていただける魅力づくりです。
結果として、財政については31年ぶりの健全な財政状況を達成するとともに、人口については11年ぶりの社会増加を達成いたしました。
※詳細については、メッセージをご覧ください。
2期8年で退任する理由
ここからが本題ですが、なぜ2期8年で退任するという決断に至ったのか。
その理由を端的に言い表すならば、
「生まれ育ったこの四條畷市を、さらに発展させたいから」
というのがその答えになります。
2期目の折り返し頃には、市長就任時より強い決意で進めてきた行財政改革の成果が如実に現れ、四條畷市の財政はかつてないほどに健全化するまでに至っていました。
また、並行して進めてきた子育て支援策も実を結び始め、人口の転入増加、とりわけ30代・子育て世代は連続した転入超過を達成するに至ります。
このような結果となりましたのは、私が掲げた「日本一前向きな市役所」という組織理念のもと、職務に尽力くださった職員の皆さんのおかげに他なりません。
また、市として様々な改革に取り組むなかで、四條畷市役所は人材が集まる市役所となってまいりました。
全国で地方公務員のなり手不足が叫ばれるなか、2023年度における事務職の採用倍率は約150倍となっています。
※詳細については、起きた変化をご覧ください。
こうしたなか、着任7年目を迎えた2023年度の市政運営方針において、私は市長としてある決断をしました。
それは、長きにわたる削減を主体とした財政運営から、未来への投資を主眼とした市政運営へと大きく舵を切ることです。
そして、この転換こそが、初選挙時に市民の皆さんとお約束した「新しい畷へ」の実現ではないだろうか。
この頃から、そうした考えを抱くようになりました。
そこから、50年先、100年先の四條畷市が、いま以上に活気あるまちであるためにはどうすれば良いのだろうかと、深く考える日々が始まります。
そして、考えに考え抜いて私が出した結論は、四條畷市がこれらも継続的に発展していくためには、情熱と素質があるリーダーが一定期間で生まれる「流れ」をつくることでした。
権不十年という言葉があるように、同じ人が長く続けることで起きる弊害は、必ずあります。
実際、最近になって多くの方からいただく「無投票になるのでは」というお声。
市民の皆さんからの評価と考えれば光栄なことではある一方で、「裸の王様になるのでは」という恐れがあるのも事実です。
歴史上どんなに優れたリーダーも、長く続ける内に適切な自己認識を持てなくなり、晩節を汚している例は枚挙に暇がありません。
また、人には得手不得手があります。私が就任した時の四條畷市は、ガバナンス改革が必要な時期でした。そのため就任直後より、公募で選任した民間企業出身の副市長とともに、組織改革に注力してまいりました。
その結果、市の主要な運営方針については、職員を中心に創り上げてきたものが定まり、それらの方針をもとに運営するに至っています。
そして現在、四條畷市は新たな魅力を創出していく段階に入りました。
未来への投資を加速させる時期だからこそ、そうした取り組みに長けた方が四條畷市のリーダーを担う方が望ましいと考え、退任を決意しました。
寂しい思いが無いと言えば、嘘になります。
それでも、四條畷市の未来を考えた際に、今回の判断が最良であると、私は信じています。
(『なぜ、後任の市長候補を全国公募するのか』に続きます)